今だから きっと 言えること


昔の話でしょ、なんて言わないで

まだ どこかで 泣いているから

今だから言える、あの頃のこと


探していたんだ、自分の居場所 身の置き場

もう いい歳になっていたのに


ほしかったな 言葉じゃなくて 心から

ゆっくりでいいよって




入院して治療が始まった頃、スポーツスクールを自主退社

また治療が終わったら、との言葉は風に吹かれ

「あなたは必要ありません」 社会から 宣告された気がした


治療が終わり どこへいっていいのか 何をしたらいいのか

当時、付き合っていた彼氏にも振られ

戻るところも何もないことを 実感した頃には

気力・体力のなさを自覚


もし休職であったとしても戻れないでしょう

スポーツの世界へ入ってはいけない と 閉ざした

だいすき だけど また傷つくのは いやだ




手当たり次第、やりたいことをやってみても

どのくらい生きられるかわからないのに、と 自暴自棄


毎日 規則正しい生活をするのに精一杯の中

“正社員になることが社会復帰” というプレッシャー

不安な時ほど 周りの人と比べ 確認作業

自分がダメ人間に思えてきて 感じない素振り



そこへ登場 ジロー君

「出会った頃は 影を引きずっていたね」

へっ?!

不意に言われて お茶を吹き出しちゃった


その影は 今でも ひょっこり現れるかもしれないけれど

だんだん 消えていくと 願いたい



焦って もがいて めちゃくちゃだったかもしれない

でも そのおかげか 気がついたら 体力がついていた


やっぱり すきなこと やりたいな

上手くはないし 自信もないけれど

やってみよう と 思えたんだ


やっと ぱちん と はまった気がする

しばらく振りに 大声で笑った



それでも 焦る私に お母さん

「目の前のことを精一杯やれば いいんだよ

きっと それが 何かに つながっていくからね」



今だから 言えるかな

自分の居場所 身の置き場 大切な人の中に あるんだね







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