うさっこの携帯電話


メモリーに残っている うさっこの携帯電話番号

かけても つながらない現実を知るのがいやで

それでも 残したままでいる


うさっこママからのメールに気付いたのは

うさっこがいなくなり しばらく経ってからだった

最期のお別れもできず

お参りへ行くこともできず 一年が経った


うさっこと出会ったのは 二年半前

入院してすぐに 歳が近い私たちは仲良くなった


小さい頃に入院していたうさっこは

病気のことから 病院の裏側なるものまで

かわいい顔に似合わず 淡々と話してくれた


「何がいけない、誰が悪いとかじゃなくてね

受け入れていくしかないよね」


「確率だとか数字で出されても

先生側はそうかもしれないけれど

こっちにしてみれば 当てはまるか、当てはまらないか

どちらか、なんだよね」


「焦るよ、比べちゃいけないってわかっているけどさ

周りが進学や就職したりして

おいてけぼりな感じ、しちゃうんだ」


うさっこは、私がうまく言葉にできないことを

よく言い当てたりして びっくりした

変に同情、共感するわけでもなく、ゆっくりとした口調で


そんな彼女とわずかながらも 一緒にいることができて 

取り乱すこともあまりなく 治療を受ける覚悟ができたと思う


髪の毛が抜けていく時

耳付きタオル帽子の作り方を教えてくれたのと

ウサギみたいに かわいいのとで

そこから “うさっこ” と このHPで呼ぶように

HPも見ていてくれて 時々メールもくれた


いっぱいいっぱい うさっこから もらったんだ

うさっこのおかげで ぎりぎりのところでも

うさっこもがんばっているしって 踏ん張れたから


うさっこに会いにいけたら と思っています






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