輪廻転心

一つ年上の恵ちゃん

入院した時

彼女と出会った

恵ちゃんは

顔立ちがきれいで

髪の毛も

長くてサラサラ

ある日

彼女のところへ行くと

あのサラサラの髪の毛

ベッドの周りに

浮かんでた

私のカツラ，あげる

ほら

見たとおり

伸びてきているから

使わないもん

そう言って

カツラを渡すと

恵ちゃんはこう言った

ありがとう

なにか，お返ししなきゃ

次の瞬間

私の口から出た言葉

いいよぉ

恵ちゃんが

元気になってくれれば

あ，こんな気持ちだったのかな

みんなが

お見舞いに来てくれたり

言葉をかけてくれる度に

私も

なにかしなきゃって

思ってたっけ

なんとなく

みんなの気持ちが

わかったような気がした

今の私にできること・・・

カツラさん

お願いです

今度は，恵ちゃんをお守りください

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